数ある仏教宗派の中で、東アジア三国(中国・日本・韓国)において布教・発展したのは天台宗のみです。
中国においては隋の時代、智顗(ちぎ)により天台宗が確立されました。智顗は天台大師あるいは智者大師と呼ばれます。
日本においては平安時代、最澄(767~822)が中国(唐)に渡り天台教学を修め、帰国後、比叡山延暦寺を開き天台宗を確立しました。最澄は伝教大師とも呼ばれます。
後に日本仏教の代表的宗派を開いた法然、親鸞、日蓮、栄西、道元らも若き日に比叡山で修行の日々を送ったことから、比叡山は「日本仏教の母山」などと呼ばれます。
韓国においては高麗時代、義天(1055~1101)が中国(宋)に渡り天台教学を修め、帰国後、霊通寺を開き天台宗を確立しました。義天は大覚国師と呼ばれます。
なお、現在の韓国天台宗は救仁寺を本山とし、韓国有数の仏教宗派として発展を遂げています。